災害には風水害や地震、火災、降灰などがありますが、災害史を見ますと大分県内では風水害がその60%以上を占めています。このことは概ね日本全体にいえることで、日本がアジアモンスーン気候帯に属し、多雨で台風の進路に当たるという地理的条件が大きく影響しています。とくに台風銀座の九州地方に位置する大分県は、被害の大小の差はあれ毎年のように風水害に見舞われており、平成17年9月の台風14号被害も記憶に新しいところです。その風水害の中で特筆される災害の一つが明治26年10月13日~15日の台風2号による大水害です。さほど大きな台風ではありませんでしたが、長い間九州の東海上に居座ったため大雨を降らせ大きな災害となりました。『大分県史』によりますと被害は全県に及び、犠牲者266人、被害町村数276(総数280)、被害戸数150,043(総数152,254)と甚大なものでした。その惨状は写真にも記録されています。また、大分川の氾濫は大分市の中心部をほぼ冠水させたといいます。