「別府にわれ再び訪れん
温かき温泉(いでゆ)と温かきもてなしに
わが生命よみがえる(略)」
別府湾に面した北浜公園に、この『別府を讃う』の詩碑は立っています。作者のポール・クローデル(1868から1955年)は、大正10年(1921)から6年間、駐日大使を務めたフランスの外交官であり、詩人でもありました。彼は、大正13年(1924)と15年(1926)、2回にわたって別府を訪れており、この詩が作られたのは、大正15年の来訪のときのことでした。このとき、別府観光の祖である油屋熊八は、当時まだ大分県下に2台しかなかったという自分の乗用車(T型フォード)に乗せて、地獄巡りや由布院、耶馬渓などを案内したといいます。この詩は、別府市民の温かい歓迎に感動して作詩され、油屋熊八に贈られました。詩碑は、別府市制施行45周年を記念して、昭和43年9月に建立されました。